私は東京の下町出身で祖父母も近くにいたため田舎というものがなく小さな頃から田園風景や山々の景色に憧れを抱いていた
遠足や旅行で自然を感じられる場所に行くのはとても楽しみだったが、
ある帰り道で窓の景色が木々の緑色からだんだんとビルが立ち並ぶ灰色になっていく様子を眺めながめていた時
山々から離れてしまった寂しさと、もう一つの不思議な感覚があるのを感じた
もの悲しさと安堵
自分の家があるという安心感とはまた少し違う種類の懐かしさが混ざりあった感覚
都市部に対して哀愁とともに「自分が生まれ育った場所」という、いきものとしての帰巣本能的な認識を無意識のうちに抱いていたのだと知った
この感覚を理解したときから、ヒトが幾度となく作り変え更新してきた世界や直線的な街中で見る夕陽を自然と同じように美しいと思っていいのだと許された気がした
I was born in downtown Tokyo and my grandparents lived nearby,
so I had a longing for rural landscapes and mountain views since childhood.
It was a great joy to go to nature on excursions and trips.
However, on the way home, as I looked out the window
and saw the scenery gradually changing from the green of the trees to the gray of the buildings,
I felt a sense of loneliness and another strange feeling.